勉強

【書く 読む】どっちが効率的な勉強法?

こんにちはメタクリルです。

今回は、学生の間で2極化する「書く勉強」と「読む勉強」どっちの方が効率的なのか研究結果を踏まえて深堀していきます。

どちらが効率的かという問題は学生なら一度は議論になったことはあるでしょう。

極論言うと効率的な勉強法は「読む勉強」です。

しかし、「読む勉強」と「書く勉強」を合わせた正しい勉強法が最も良いとされています。

その理由や研究結果の詳細をこれから説明します。

効率に関する実験

効率=仕事/時間という式から時間が短いほど効率は高くなることは自明です。

英単語の勉強を例にすると

書く勉強は読む勉強の3~5倍の時間がかかると言われます。

問題は「書く勉強」と「読む勉強」どちらがより理解しているか、暗記できているのかが議論のポイントです。

そこで、心理学者である米国ワシントン大学のヘンリー・ロディガー教授とパデュー大学のジェフリー・カーピキ教授が行った研究を基に説明します。

彼らの研究ではアメリカの大学生が3つのパターンで勉強したとき、5分後、1週間後のテスト結果はどうなるのかについて調べました。

1.指定された英文テキストを20分間読みました。
2.指定された英文テキストを15分間読み、その後、英文を見ずに10分間で英文の内容をできるだけ思い出し、紙に書き出しました。
3. 指定された英文テキストを 5分間読み、その後、英文を見ずに10分間で英文の内容をできるだけ思い出し、紙に書く行為を合計3回分受けました。

5分後の正答率
1.83%
2.78%
3.71%

1週間後の正答率
1.40%
2.56%
3.61%

5分後の正答率は読むだけの勉強の方が高くなることがわかりました。 一方、1週間後の正答率はテストを多くする勉強法が高くなることがわかりました。

研究結果で興味深いことはテキストを読んだ回数と正答率の違いです。

さらに、彼らの研究ではテスト後にどれだけテキストを周回したのかアンケートを取りました。

テキストの周回数
1.14.2回
2.10.3回
3. 3.4回

参考文献:テスト強化学習:メモリテストを受けることで長期保存が向上 - PubMed (nih.gov)

この研究からテキストを読んだ回数が多いほど短期記憶に入りやすく、テストを多く受けるほど長期記憶に入りやすいことがわかりました。

テストを多く受けるほど長期記憶に入りやすいことを彼らは「テスト効果」と名付けました。

例えば、レジュメや参考書の内容を習得する際には、周回を目的とするのではなく、脳内で内容を思い出しテストをする方が効果的であるとされています。

では、今回のテーマである「書く勉強」と「読む勉強」どちらがより効率的な勉強についての正しい回答は

インプットするには「読む勉強」 アウトプットするには「書く勉強」

書く勉強のメリット

脳神経内科医の長谷川嘉哉氏によると「書く」ことは、五感を使うため「勉強の質を向上させる」と述べています。

ここで大切なことは3つ。「書くべき文字を思い出し、書くスペースを意識しながら、指先に集中させる」

つまり、「書く勉強」というのは作業にしたら効果はなく、一度インプットした知識をアウトプットすることが大切であると考えられます。

書く勉強法2選

・テスト効果を用いた勉強法
・インプットすべき内容だけをまとめたノート作り

テスト効果を用いた勉強法

読んで理解した内容はスペルミスや漢字などの記述的能力の欠如が見られます。そのため、確認作業をする際には効果的であると考えられます。

インプットすべき内容だけをまとめたノート作り

レジュメ、参考書には余分な情報が書かれていることが多いのがほとんどです。

インプットすべき事柄だけをまとめるのは個人的にありだと思います。

まとめて終わりにするのは時間の無駄ですが一問一答のようにテスト効果を活かせる勉強法は効果ありです。

書く勉強のデメリット

インプットする際に「書く」行為は時間の無駄です。先ほど述べた長谷川嘉哉氏の言葉には「書くべき文字を思い出す」ことが効果的であるにもかかわらず単語を10回、100回書き出すことは作業になるのでやめましょう。

では、インプットするにはどうしたらいいのかについては「読む勉強」「音読」が効果的とされています。

読む勉強のメリット

テスト効果で扱った結果を用いると読む勉強は短期記憶になると結論付けました。1週間後の正答率が低い理由はエビングハウスの忘却曲線に沿う結果だったと考えます。

つまり、短期記憶を長期記憶にする作業をすることが最も効率的な勉強法です。

では、どのような日程で勉強をすることでエビングハウスの忘却曲線を脱却することができるのかについてはこちらの記事を参考にしてください。

先ほど述べた「音読」の効果は東北大学加齢医学研究所教授の川島隆太氏によると、音読することで記憶力が20~30%も増えると述べています。

読む勉強のデメリット

読む勉強は効果的で勉強ですが正しい勉強をしていないと時間の無駄です。

NGな勉強法2選

・思考しないでだらだら読む
・インプットばかりする

思考しないでだらだら読む

「周回すればいつか覚えられる」という考えでインプットを疎かにしている人はおそらくテストの時アウトプットできないと思います。

「読む勉強」をするときは常に思考し知識の拡大を目的にインプットしてください。点と点の間隔が狭いほど知識は線となり人に説明できるレベルまで向上します。

インプットばかりする

どれほどインプットしても、アウトプットをしなければ記憶として定着することはありません

コロンビア大学の心理学者アーサー・ゲイツ博士の実験では100人の子供たちに人物プロフィールを覚えて暗唱させませました。

その際、グループごとにインプット時間とアウトプット時間の比を変えて正答率を調べました。

結果、最も高い結果を出したグループはインプットとアウトプットの比が3:7であるグループでした。

コロンビア大学だけでなく、日本の多くの研究者が実験した結果でも黄金比は3:7でした。 つまり、インプットばかりしててもテストの成績は上がりません。

正しい勉強法こそが点数を取るための近道であると私は考えます。

番外編

青ペンで勉強することは効果あるのか

青色には、人をリラックスさせる効果と集中力を上げる効果があります。

人の脳は、色を見ることで脳内物質を分泌する機能があります。

それぞれの色と脳内分泌による効果はこちら

話を戻し、人は青を見るとセロトニンが分泌されます。

セロトニンは精神の安定や安心感、集中力を高める効果があります。

薬学の観点から話をすると、セロトニン不足はうつ病、不眠につながります。

最近では、陸上競技場のトラックを赤から青に変えることによって選手のパフォーマンスを向上させる話は有名です。

つまり、勉強するときに青ペンを用いることは効果的です。

色の効果について知りたい方はこちらの記事がおすすめです。

【色の効果】薬学生が教える色とホルモンの関係

目次1 原理2 赤色の効果3 オレンジ色の効果4 黄色の効果5 緑色の効果6 青色の効果7 紫色の効果8 社会で用いられている色の効果8.1 陸上のトラック8.2 自殺防止9 まとめ こんにちは。メタ ...

続きを見る

まとめ

今回は「書く勉強」「読む勉強」について研究結果と科学的根拠をもとに紹介しました。

興味深い内容も多かったと思います。

冒頭で述べた結論は2極化したときの回答でしたが「書く勉強」「読む勉強」をハイブリットした正しい勉強が一番効率的であるとわかったと思います。

ちなみに、読んだ後(インプット)した後に40秒間何も見ずに思い出す作業はとっても効果的なので実践してみてください。

自分に合った勉強法を見つけ出して高得点を取りましょう!

-勉強